大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 平成2年(特わ)509号 判決 1990年6月28日

本店所在地

東京都目黒区東山三丁目二番四号

ステーシヨンプラザ池尻大橋

ソナー株式会社

(右代表者代表取締役 渡邉吉雄)

本店所在地

東京都渋谷区神南一丁目九番四号

NCビル六階B号

サンレーダー企画株式会社

(右代表者代表取締役 渡邉吉雄)

本店所在地

東京都渋谷区代々木二丁目二三番一号

ニューステイトメナー六七三号室

ユウキ株式会社

(右代表者代表取締役 渡邉吉雄)

本籍

東京都世田谷区豪徳寺一丁目二〇六八番地

住居

同都目黒区駒場一丁目一番一-八〇一号

コープ第一駒場

会社役員

渡邉吉雄

昭和二四年一一月八日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

検察官 渡辺咲子 出席

主文

被告人ソナー株式会社を罰金二五〇〇万円に、被告人サンレーダー企画株式会社を罰金一三〇〇万円に、被告人ユウキ株式会社を罰金二二〇〇万円に、被告人渡邉吉雄を懲役一年一〇月にそれぞれ処する。

被告人渡邉吉雄に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社ソナー株式会社は、東京都目黒区東山三丁目二番四号ステーシヨンプラザ池尻大橋に本店を置き、コンピュータ情報のサービス業務等を目的とする資本金一〇〇万円の株式会社、被告会社サンレーダー企画株式会社は、東京都渋谷区神南一丁目九番四号NCビル六階B号に本店を置き、競馬コンピュータ予想情報のサービス業務等を目的とする資本金一〇〇万円の株式会社、被告会社ユウキ株式会社は、東京都渋谷区代々木二丁目二三番一号ニューステイトメナー六七三号室に本店を置き、競馬予想に関する書籍販売・競馬コンピュータ予想情報のサービス業務等を目的とする資本金一〇〇万円の株式会社であり、被告人渡邉吉雄は、右各被告会社の代表取締役として各会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人渡邉は、

第一  被告会社ソナー株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、競馬情報提供料収入の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、

一  昭和六〇年七月一日から同六一年六月三〇日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が七一六八万四二八円あつた(別紙1の修正損益計算書参照)のにかかわらず、昭和六一年八月三〇日、東京都目黒区中目黒五丁目二七番一六号所轄目黒税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六六四万二七八三円で、これに対する法人税額が一九九万五一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二九九八万九五〇〇円と右申告税額との差額二七九九万四四〇〇円(別紙2の(1)ほ脱税額計算書参照)を免れ

二  昭和六一年七月一日から同六二年六月三〇日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が六七〇八万四二八一円(別紙3の修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和六二年八月二八日、前記目黒税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一七三七万九八四六円で、これに対する法人税額が六三二万三六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二七一九万九七〇〇円と右申告税額との差額二〇八七万六一〇〇円(別紙2の(2)ほ脱税額計算書参照)を免れ

三  昭和六二年七月一日から同六三年六月三〇日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が一億四三〇五万三二三〇円あつた(別紙4の修正損益計算書参照)のにかかわらず、昭和六三年八月二九日、前記目黒税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三四〇四万三二五八円で、これに対する法人税額が一三三〇万二六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額五九〇八万六八〇〇円と右申告税額との差額四五七八万四二〇〇円(別紙2の(3)ほ脱税額計算書参照)を免れ

第二  被告会社サンレーダー企画株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、競馬情報提供料収入の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、

一  昭和六〇年七月一日から同六一年六月三〇日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が二六七六万六六〇七円あつた(別紙5の修正損益計算書参照)のにかかわらず、昭和六一年八月二九日、東京都渋谷区宇田川町一番三号所轄渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四四六万九四〇七円で、これに対する法人税額が一三五万一二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一〇五七万一五〇〇円と右申告税額との差額九二二万三〇〇円(別紙6の(1)ほ脱税額計算書参照)を免れ

二  昭和六一年七月一日から同六二年六月三〇日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が二八二五万八四四一円あつた(別紙7の修正損益計算書参照)のにかかわらず、昭和六二年八月二七日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三一九万二七四一円で、これに対する法人税額が九四万四五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一〇八九万五三〇〇円と右申告税額との差額九九五万八〇〇円(別紙6の(2)ほ脱税額計算書参照)を免れ

三  昭和六二年七月一日から同六三年六月三〇日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が七八〇六万九九〇六円あつた(別紙8の修正損益計算書参照)のにかかわらず、昭和六三年八月三〇日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二四三万九九四五円で、これに対する法人税額が七二万四五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額三一八二万一八〇〇円と右申告税額との差額三一〇九万七三〇〇円(別紙6の(3)ほ脱税額計算書参照)を免れ

第三  被告会社ユウキ株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、競馬情報提供料収入の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、

一  昭和六〇年一〇月二四日から同六一年七月三一日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が二四四四万七三五八円あつた(別紙9の修正損益計算参照)のにかかわらず、昭和六一年九月二九日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四〇六万六三五八円で、これに対する法人税額が一二四万五〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額九七五万二〇〇円と右申告税額との差額八五〇万五二〇〇円(別紙10の(1)ほ脱税額計算書参照)を免れ

二  昭和六一年八月一日から同六二年七月三一日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が二八二二万六二六七円(別紙11の修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和六二年九月二九日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、欠損金額が一〇五万二八二円で、これに対する法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一〇八八万九八〇〇円(別紙10の(2)ほ脱税額計算書参照)を免れ

三  昭和六二年八月一日から同六三年七月三一日までの事業年度における同被告会社の実際所得金額が一億五一一四万二七三四円(別紙12の修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和六三年九月三〇日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八三万九八九三円で、これに対する法人税額が一四万一二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額六二四一万四二〇〇円と右申告税額との差額六二二七万三〇〇〇円(別紙10の(3)ほ脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実について

一  被告人の当公判延における供述

一  被告人の検察官に対する平成二年三月一六日付、同年三月二二日付各供述調書

判示冒頭の事実について

一  登記官石黒尚夫、同城谷昌雄(二通)作成の各登記簿謄本

判示第一の各事実につき(なお、括弧内の○数字をもつて判示第一の一ないし三の事実のうち関係する事実を示し、特に数字をあげていないものは右全部の事実に関係する。以下、判示第二、第三の各事実の場合も同じ。)

一  被告人の検察官に対する平成二年三月一九日付供述調書

一  大蔵事務官作成の売上調査書、給料調査書(<1>)、福利厚生費調査書、旅費交通費調査書、通信費調査書、広告宣伝費調査書、支払手数料調査書、地代家賃調査書、修繕費調査書(<3>)、水道光熱費調査書、消耗品費調査書、租税公課調査書(<2>)、事務消耗品費調査書、図書印刷費調査書、雑費調査書、敷金償却費調査書(<1>)、情報提供料調査書、事業税認定損調査書、雑収入調査書(<2>、<3>)、受取利息調査書、権利金償却調査書、寄付金の損金不算入額調査書(<3>)

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成二年押第三六四号の1)(<1>)、同申告書一袋(同号の2)(<2>)、同申告書一袋(同号の3)(<3>)

判示第二の各事実について

一  被告人の検察官に対する平成二年三月二〇日付供述調書

一  大蔵事務官作成の売上調査書、支払手数料調査書(<3>)、情報提供料調査書、受取利息調査書(<3>)、事業税認定損調査書

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成二年押第三六四号の4)(<1>)、同申告書一袋(同号の5)(<2>)、同申告書一袋(同号の6)(<3>)

判示第三の各事実について

一  被告人の検察官に対する平成二年三月二一日付供述調書

一  大蔵事務官作成の売上調査書、福利厚生費調査書(<3>)、旅費交通費調査書(<3>)、通信費調査書(<3>)、広告宣伝費調査書(<3>)、支払手数料調査書(<3>)、地代家賃調査書(<3>)、光熱費調査書(<3>)、消耗品費調査書(<3>)、租税公課調査書(<3>)、事務消耗品費調査書(<3>)、図書印刷費調査書(<3>)、雑費調査書(<3>)、情報提供料調査書、受取利息調査書(<2>、<3>)、事業税認定損調査書(<2>、<3>)、欠損金の当期控除調査書(<3>)

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成二年押第三六四号の7)(<1>)、同申告書一袋(同号の8)(<2>)、同申告書一袋(同号の9)(<3>)

(法令の適用)

被告人ソナー株式会社の判示第一のないし三、被告人サンレーダー企画株式会社の判示第二の一ないし三、被告人ユウキ株式会社の判示第三の一ないし三の各行為は、それぞれ法人税法一六四条一項、一五九条一項に該当するところ、情状によりそれぞれ同法一五九条二項を適用し、各被告人会社の以上の各罪は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪につき定めた罰金をそれぞれ合算し、その範囲内で被告人ソナー株式会社を罰金二五〇〇万円に、被告人サンレーダー企画株式会社を罰金一三〇〇万円に、被告人ユウキ株式会社を罰金二二〇〇万円に処し、被告人渡邉の判示第一ないし第三の各所為は、法人税法一五九条一項に該当するところ、いずれについても所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第三の三の罪の刑に法定の加重をし、その刑期の範囲内で同被告人を懲役一年一〇月に処し、情状により同法二五条一項を適用して、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 松浦繁)

別紙1

修正損益計算書

自 昭和60年7月1日

至 昭和61年6月30日

ソナー株式会社

<省略>

別紙2

ほ脱税額計算書

会社名 ソナー株式会社

(1) 自 昭和60年7月1日

至 昭和61年6月30日

<省略>

(2) 自 昭和61年7月1日

至 昭和62年6月30日

<省略>

(3) 自 昭和62年7月1日

至 昭和63年6月30日

<省略>

別紙3

修正損益計算書

自 昭和61年7月1日

至 昭和62年6月30日

ソナー株式会社

<省略>

別紙4

修正損益計算書

自 昭和62年7月1日

至 昭和63年6月30日

ソナー株式会社

<省略>

別紙5

修正損益計算書

自 昭和60年7月1日

至 昭和61年6月30日

サンレーダー企画株式会社

<省略>

別紙6

ほ脱税額計算書

会社名 サンレーダー株式会社

(1) 自 昭和60年7月1日

至 昭和61年6月30日

<省略>

(2) 自 昭和61年7月1日

至 昭和62年6月30日

<省略>

(3) 自 昭和62年7月1日

至 昭和63年6月30日

<省略>

別紙7

修正損益計算書

自 昭和61年7月1日

至 昭和62年6月30日

サンレーダー企画株式会社

<省略>

別紙8

修正損益計算書

自 昭和62年7月1日

至 昭和63年6月30日

サンレーダー企画株式会社

<省略>

別紙9

修正損益計算書

自 昭和60年10月24日

至 昭和61年7月31日

ユウキ株式会社

<省略>

別紙10

ほ脱税額計算書

会社名 ユウキ株式会社

(1) 自 昭和60年10月24日

至 昭和61年7月31日

<省略>

(2) 自 昭和61年8月1日

至 昭和62年7月31日

<省略>

(3) 自 昭和61年8月1日

至 昭和62年7月31日

<省略>

別紙11

修正損益計算書

自 昭和61年8月1日

至 昭和62年7月31日

ユウキ株式会社

<省略>

別紙12

修正損益計算書

自 昭和62年8月1日

至 昭和63年7月31日

ユウキ株式会社

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例